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  • 2016.06.21 Tuesday
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店番日誌ディープ・骨折に風邪、辛気くせえぜ!

骨折!!

みなさん、こんにちは。
ニヒル牛マガジンを読んでくださっている方なら周知の事実だと思いますが、一応私からも報告しておきます。
石川浩司『骨折』でした。
・・・はは。
・・・・・ははは・・。
・・・・・・はあ・・・。
チェンマイに着いたその日、ああ、一年間ずっと楽しみにしていたチェンマイだ!と浮かれに浮かれ、はしゃいで踊って、転んで、四つんばいになって、骨折。
妻は見てきたように、想像出来ます。
数日のた打ち回った後病院に行き、診断されギブスを着けられて、全治一ヶ月。
それは、ちょーど、石川のチェンマイ滞在期間とぴったり一緒!
・・・・・・・しくしく。
あいかわらずぶれない男だぜ。
まあ、運よく(他の方には運悪くだが!)一緒に旅している人もわんさかだから、ホテルの部屋で腐乱死体になって発見される事もありますまい。
私もきっぱり忘れることにします!
どうせ、日本に帰ってきたら迷惑かけられるんだしね!
てな事だから、デニス、よろしく!
帰国したら、坂本肉屋のチャーシュー、塊でプレゼントするからね!美味しいんだよー。
]

風邪!!
さて、そんな体たらくのだんなは南国彼方へ置いとくとして、私も先週は、あっ風邪?いや、ひきそうだけどひくもんか!と瀬戸際で戦っておりました。
週明けて今、咳、熱無し。鼻水と喉の痛み大分改善。よしよし、何とか押さえ込んだ。仕事に支障無く終われそうだぜ。よかったよかったと安心しているのですが。
そう。安心はしているのですが・・。
思えば遠くへ来たもんです。私も変わってしまったなと。
風邪、子供のころは好きだったのになあ。むしろ、ウエルカムでしたもん。
「おいおい風邪かよ、学校休めるじゃないかよー!」と。体温計をわきに挟んでわくわくしたもんです。たいがい私なんて、37度5分とまりの熱なんだけどね。
おかやんが「今日は休みなさい」と言うのを祈る様に待ったね。咳き込んだり、軽く演技だってしたね。辛そうにね。
それが今は「おいおい風邪かよ、勘弁してくれよ。今そんなもんひいたら、色々滞るんだよ」に変わってしまった・・。
なんかさびしいよ。仮病も使えなくなるなんて、すげえ大人。
子供達よ「風邪ひいた、学校休めるアイス食べられる、ふっほー!」はな、今だけだぞ。その喜び謳歌しとけよ!・・・まあ、子供はこんなの読んでないんですけどね
今回はね、せめて木金はきっちり休もうと
メールしたんです。あの人に。
『くす美ごめん。風邪が不穏なので、明日店番お願い出来ないかな』と、丁寧に。そしたらさ。
『ふんわりパーマで浮かれてるからじゃないの?』なんて、ひどいイヤミを言われたんだよ・・。くすん。
子供達よ!パーマちょっとあてただけで、うかれてるとか、顔いじった?とか、そんな風に言われる様な大人(47歳)にだけはなるなよ・・。
さて、そんな悲しみこそあれど、なんとか風邪は乗り切れた私。しかしどうにも胃が弱ってる感じでした。
ずっと軽く吐きそうなのが続く、地味に嫌な胃具合。
なんか身体に優しい物を食べましょうと、結構考えてチョイスしたのが、何故だかホットケーキと野菜スープでした。優しそうじゃない?
それで、先日作ったのです。
ベーコンで出汁とって、じゃがいもとたまねぎ、キャベツを入れた野菜スープはまあよかったです。胃に優しい感じ満載。
しかしホットケーキがね、なんでか生焼けになってしまいましたよ。
バター塗って、メープルシロップかけて、わくわく切ったら、中身がどろっ。どろっ好きですけど、このどろっはダメなどろっです。うわあ、火が通ってないやんのどろっ。
どうしよ。
何かで聞いた事あったよなー。生焼けの小麦はお腹を壊す・・。
・・・・。
・・・・・・・・。
いい!!
もう、いいや!どろっにいいも悪いも無いや。流行の生カステラみたいなもんじゃないか。実際、生カステラなんてこんなもんだろ?(多分、違います)と、あんなに胃の事を考えていたって、最後のつめでもう投げやりになる、それが大人だと言う事を最後に子供達に訴えて、この話しを終わらせたいと思います。
心無しか、胃がまた痛いです。
:

今!!
今、ニヒル牛とニヒル牛2で開催されている展示。
対照的な、でもどちらも素敵な展示です。
ニヒル牛の展示は、奈良で産まれて今も奈良在住作家さんの二人展。
育った地域はこんな風に作品に色を残すんだなあと、山の風や木の匂いや、不思議な空気が流れる展示になっています。
素朴な布の質感や表情が、なんとも素敵な布絵の小石さんと、テンプル画で描かれた仏教モチーフや人物が、精巧で愛らしい上月さん。とてもいいですよ。
ニヒル牛2は、もう言うまでも無い、あのイバラノツルヒコさんのフィナーレ展です。
フィナーレ・・・。
今回はパリのキオスクをイメージした、観光名所っぽい作りになっています。
遊びに来た人が写真撮ったり、ゆっくり遊べる様にしたいと、そんな事を考えて作られた展示です。
「最後だなんて・・」と涙ぐまれている方を見て、ツルヒコさんは愛され続けていたんだなあと、切なくなりました。
どちらも、始めていらしたお客さんが足をとめる展示になっていますよ。
.

次!!
そして、次回2/17からニヒル牛2では『ニヒル牛・インディーズCD店』を開催します!
ニヒル牛に置いて下さっているインディーズCDレーベルの方たちに声をかけ、ニヒル牛スタッフ達ももちろん、ばりばりに宣伝してpopを作ったり、なんなら小冊子だって作ったりして。
これを機会に、ニヒル牛2のCDプレイヤーも買い換える予定。
がんがんに視聴して、インディーズCDを買いに来て下さい。
もちろん個人で置いてるCDの作家さんも参加してね。この機会にアピールして、たくさんの人にCDを聞いてもらおうじゃないか!
ライブ告知のチラシやら、グッズポスターも大歓迎!作家さんもぜひpopも作ってくれよ!
『ニヒル牛・インディーズCD店』は一ヶ月開催します。
外の壁にもいっぱいポスターや告知、貼りたいぜ。
4649!

よい写真を撮る時間が無かったので、イラストでお送りいたしました。
今言えることは、ただ一つ。
その、ツルヒコさん、すまん。

それではまた来週ーーー。

店番日誌ディープ・『日本沈没』

2月14日 ニヒル牛2

バレンタインですね。
開店準備していた私は、通りすがりの白髪老婦人に話しかけられました。
自宅が通学路にあるのだけど、そこを毎日通る中学生に対する憎しみ「あいつらはやっと卒業したと思ったら、また入学してくる」そんなのを約30分うかがって、話を聞いてくれたお礼にと、これをプレゼントされました・・。
む
『ハッピーバレンタイン!!』

さて、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、石川浩司がチェンマイに一か月の滞在中です。
私だってもちろん、この感は怠けますよ。いつも以上に!
ろくすっぽ食事も作らず掃除もせず、休日と言えばごろごろと録画していた映画を観るばかり、はい。くず道まっしぐら。
最近はレンタルビデオ屋にもいかず、ケーブルの映画チャンネルで適当にピックアップしときます。
映画チャンネル悪く無いです。ツタヤでは置いてなかったり片隅においやられている古い作品やマイナーな作品を意外に放送します。図書館で本を選ぶみたいな、限られた中での宝探し感があって楽しい。
てなわけで、今回は、石川留守中ごろごろ映画鑑賞ノートを!あ、ものすごくネタばれも含みます。

          め
『クロサワ映画』
絶対に自分では選ばない作品ですね。
これは、黒沢ファンの石川が旅立つ前に「あるくん、あれはけっこう面白いよー」と言っていて、それでもまあいいやと観ないでいたら「あるくん、あれ観た観た?」って聞いてくるのね。・・・はい分かりました。観ますよ。観ますとも。
お笑い芸人さんがたくさん出ている映画。話はラブコメディ。私の大好きな、大久保さんと椿鬼奴姉さんも出てます。
その二人に森三中って、ははあん。石川がこれをよいと言っていた原因は分かりましたよ。
石川の好きな女の子ばっかじゃん。これ、私にとってのイケメンパラダイス『アウトレッジ』と同じで、石川にとっての大好きなアイドルたくさん映画じゃん。
まあ、女の子がたくさん出てくる映画は嫌いじゃないです。
最後に光浦さんが本屋さんを歩くシーンがあるのですが、その時、ああ、私この人好きだなあと思いました。すごく本屋が似合ってた。
姿勢やたたずまい、今一番、品がある女の人じゃないだろか。宮藤官九朗がヒロインとしてよく起用するのが分かります。
             め
『沈まぬ太陽』
三時間半の長い映画ですがちゃんと全部観れました。前のめりになったり姿勢を正したりはしないで、普通に座って最後まで。
日航ジャンボ墜落事故等をモデルにしたドラマチックなストーリー。こういう大作は、話しがちゃんとしているので退屈はしません。主演は正義の人で渡辺謙。この人が出ていると大作感が強まりますな。なんか眼力があって彫りが深くて、ありがたい感じ。
ちゃんと作られているし決して嫌いな作品じゃないのですが、なんというんでしょうか。ざらっとしたひっかかりとかが無くて・・。+でも−でも、どこかで予定調和が崩れて、感情が揺さぶられる瞬間が無い映画は、私はいずれ忘れてしまいます。何か、ああこれはっていうのが無いと・・って。
あ!あった!
クライマックス近く、大事な会議のシーンにガキの使いのおにいがいました!おにいが真面目な役で(エキストラだけど)!でもいつもの、あの泣きそうな顔で!思わず叫びましたよ。おにい!と、私がこの映画で一番心躍らせた瞬間でしたよ。
              れ 
『金融腐敗列島』
沈まぬ太陽とある種対照的かもしれないです。私にとっては。
聞き取りづらい台詞があったり、演出もなんか不自然な箇所があったりと、アラも感じたのだけれど面白い。
金融関係の話しは苦手と、ちょっと避けていました。でも椎名桔平がいいと言われれば、とりあえず観なくてはならないのが桔平ファン。そして、はあ・・。またまたかっこよかったわあ。クセのある役がほんっとにお似合い。素敵。
ステレオタイプの悪の大物を仲代達矢がやって、主役のやはり正義の人を、どこかに弱さを感じさせる役所広司がやってます。渡辺謙の持っている大作感には冷めた気持を持ってしまうけど、役所広司の普通の人感はすんなりと気持ちを入れられる。奥さん役が風吹じゅんで、いつまでたってもどこかはすっぱで色っぽい女優さんだから、なんだかそれもいいのです。
他の役者さんも適役ぞろいでわくわくします。そして、ちょっと適役とは違った、変化球みたいな有能弁護士役のもたいまさこが、すっごくきいてました。いつもの無表情がニッと崩れる瞬間がたまらなくチャーミング。
桔平の啖呵と少しのホモセクシャルな匂い、もたいまさこが役所広司にけっこうほれているのが表情(しかも、ほんっと無表情なのに!)だけで分かるおかしさは、きっとずっと覚えているだろなと。
              む
『さんかく』
一番最初のシーン。電車の中でフトモモもあらわな15才が、足を少し開き、口もちょっと開けて、居眠りしている箇所でもうおいおい・・。やば、すけべな映画だ!でも48才だから平気!
このあぶない子が、姉ちゃんと彼氏が同棲している部屋に数日間同居するという、まんま少年漫画の夢シチュエーション。
姉ちゃん家だし子供だからと、いっつも足出してるし、おっぱい大きいのにノーブラだったりするし、一番うわっえげつないと思ったのは、お手洗いの音。夜中にこの子のそれを聞いてしまって寝られなくる彼氏。もんもん。・・なんてすけべな映画だ!48才だから、ぎりぎり平気だけど!
キャミソールを肩からパラリと落としながら、ぼさぼさの髪で「いってらっしゃい」って。よくあるシチュエーションだけど、それを童顔のほんとに15才の可愛い巨乳女子がやっているのだから、ちょっととまどいさえします。
この子はお姉ちゃんの男に気まぐれでちょっかい出して(無自覚さと自覚の混じった、ちょっかい部分のバランスが絶妙)その男をストーカーにしてしまい、ふられた姉ちゃんは姉ちゃんで、男のストーカーになってという、どうしょもない人達の映画。
だけどそれぞれに役者がいいんです。
まず少女は、この頃はまだAKB48のメンバーで、ロリーターとして大人気だった小野恵令菜。この役、下手に脱ぐ役より恥ずかしと思う。よっぽど、肝が据わってなきゃ出来ない。現役の人気アイドルによくこんなえげつない事やらせるなあと。それだけにすっごく魅力的なんですね。私は思わず、消去する前に彼女のシーンは全部見返してしまったよ。もう一種のよく出来た殺陣を見返す気分だね。
彼氏が、今話題の高岡蒼甫。青い春もクローズも大好きな私には、もともと好印象な役者さんなんだけど、このどうしょもない男の役もよかった。ちゃんと翻弄されて愚かで、でも憎めない馬鹿でした。
そしてお姉ちゃんは、安心の田畑智子。うまいです。ストーカー部分は、彼女が一番強く描かれているからきつい印象もあるんだけど、だめだよーと思いつつもやはりなんか仕方ないよなあと。ひたむきで愚か。何よりラストシーンの笑顔がね、素晴らしいです。
こじれる関係や恋心や、しょせんみんなダメなやつなんだと。でもやはり、みんなどこかに愛らしい部分がある。キモイとか終わってるとか、そういう簡単に決めてしまう言葉と対照的な場所にあるのが、田畑智子の笑顔でした。
少し泣きました。
こういうみっけもんがあるから、映画チャンネル好き。
        け
『日本沈没(1973年度)』
さて、本題だ。
この作品の事が書きたくて、今回映画鑑賞ノートをやってみました。
観終わった後、しばし放心。
そうか・・。と。
最初に日本沈没の兆候があらわれる海底のシーン。無音の海が怖くて、正直、それが何を意味するかなんてちっとも分からないのに、グレーの息苦しい海の底に走る、波紋の跡が恐ろしい。
子供の頃上映されていたこれは、確かパニック映画と呼ばれていたと思うんだけど、確かにCGなんか使わなくても、地震のシーンも、それこそ気持ちが蘇って来るような人々が逃げるシーンも、ものすごく生々しく怖い。
だけど、これはパニック映画ではない。
決して単純な正解なんか無い、人の生き方哲学、アイデンティティ。
「大変なことになる」そう予測する科学者を鼻で笑うように安全を強調する御用学者。
報道規制。それでも外国から漏れてしまう真実。いろんな事がやはり重なっていってしまう。
そしていよいよ日本沈没が始まって、哲学者も含んだ三人の学者が、日本人はどうするべきかを話し合い、三つにまとめる。
・もし、それを許してくれる国があるのなら、どこかで小さくても日本の再建を始める。
・ばらばらになって散って、それぞれがその地に馴染んで生きていく。
そして、三人共の一致した意見。
・このまま何もしない。日本と共に滅びる。
それを聞いた首相役が丹波哲郎。彼は目を見開いて、みるみる涙をためて、無言で泣く。
それだけで、この人の本質は、それを望んでいるんだと分かってしまう。
だけど彼は首相だから、それこそ一人でも助けるために奔走して、日本人を海外に逃がしていく。
正解かどうか分からなくたって、それこそをするべき事だと思っていたんだ。
ラストシーン、外国に散らばった日本人が、列車で移動している。
貨物車にじかに座って、みんな疲れた顔で。それは多分、ブラジル移民を始めたはるか昔の様に、貧しく、何も持たない日本人として。
少なくとも安易な希望なんか持てないラスト。
すごかったです。未来を想像するとか、そんなんじゃなくて、人の本質が何かを突き詰める真摯さと
能力があれば、こんな作品を作れるんだと。
ただ、あんな首相はどこにもいないです。

あれれ。白髪の老婦人、本日三回目の御来店。
なんでだか今、ニヒル牛2の机できのこ編んでます・・。
私に教えると。
「手先不器用だし、仕事があるんですよー」
ていうか、ええと。
・・・・・・。
まあいいや。

それではみなさん、また来週。

店番日誌ディープ・海馬が走る

衝撃!!
はあ・・・面白かった。
皆様は見ましたか?ニヒル牛マガジン土曜連載のカリンちゃん。『大友克洋風、キムヨナと浅田真央』もうね、感動さえしましたよ。カリンったら!!
そして、読みました?
月曜連載につけられたコメント。長谷邦夫先生ですよ・・・。『バカ式』は家にありますとも!ある意味、歩く日本漫画の歴史みたいな方です。カリンの大先輩でパロディ漫画の元祖じゃないかな?
どこに向かってんだ、ニヒル牛マガジン。
そして、なんで先生、ここのぞいたんだ?後、ほんとに些細な事ですが、それ書いてるの石川じゃありません。
・・・いろんな意味で、恐ろしいです。
せ
『ニヒル牛CD店、pop増えつつありますよ!』

記憶
自転車通勤をしていると、とんでもない記憶がぱぱーんと蘇ってきたりします。
「あっ海馬ったら、そんな事を覚えてて!」と、とまどう事しきり。
井荻小学校バス停辺りの上り坂、あそこが私の思い出蘇りポイント。
ガタガタと上りながら『ああ、そう言えば・・』おかやんに頬を、いきなり針でプチンとつつかれた時は驚いたな(あまりにパンパンなので、破裂するかと思ったそうです。キ○ガイですね)とか。
車をすいすいよけつつ『そういえば、なんであの時・・・』駐車場でビニール袋に、2時間雪を詰め続けたんだっけ?確か、雪女の声に命令されてたんだよなあ。「あんた凍死するよ」と近所のおばさんに怒られたな。とか。
・・・みんな、すごく子供と時の記憶。そしてたいがいバカ。
そんな記憶の中。
特別に繰り返し思い出すのは、それがあまりに繰り返しなので、もうどこかでお話しの様になってしまっている、友達の事です。
め
林くん
林くんとは、小学一年生の時に隣同士でした。
そして多分、その二人の並びは、所沢小学一年では一番デンジャラスなアナーキー席となっておりました。
席にじっと座っていられなくて、どこかに消えてしまう。授業中ついさっきまでは机にいたのに、ふと見たら外の校庭の滑り台で遊んでる。どうしたもんかと思っていたら、いつの間にかまた席に戻って、私を見てにこにこ笑った・・。※担任談
雨の中、傘もささずに何故か、噴水に入って一人遊んでいる子がいた。肺炎になるよと注意したら平気だと笑った。ちょっとお宅のお嬢さんはおかしいんじゃないか・・。※近所のおばさん談
はい。これは全部アナーキー『ある』、私のしわざですね。おかやんに集まった苦情です。
林くんはこんな事はしません。
クラスでは大人しく席に座っていました。
そういう意味では、彼は問題児では無かった。
彼はただ、ずば抜けて、貧乏だったのです。
学校で隣同士の私達は、たまたま家もご近所でありました。
その頃私は、昔は料理屋だったおばあちゃんの家に住んでいて、そして、川沿いに建ったその家から5分くらい登った川の中に、少しのでっぱりを作って林くんの家は建っていました。
そう。林くんの家は、川の中にあったんです。
そしてそれは、家というよりはトタンの塊で、その時代でも、やはりかなり珍しい貧乏ぶりでした。
アナーキー一年生だった私は、もちろんそういう事に気がつく方では無かったけど、それでも、小柄で色黒な彼が服装も佇まいも、他の子と少し様子が違っているのは感じていました。だけどまったく気にしていませんでした。バカだから。
私達はお互いに、好意を持つなんていう高度な感情は無いままに、ただ、席と家が近いのだからと遊び友達になっていました。いや、もしかしたらやはり、はみ出しもん同士の仲間意識はチビながらにあったのかもしれない。
ただ、はっきりは覚えてないけど、私が林くんにいろいろ迷惑かけていた記憶はぼんやりとあります。給食のジャムを机に飛び散らかされて、静かに怒っている彼の姿がぼんやり脳裏にありますので。
そんな風に、遊んでいた事も含めて記憶は全部ぼんやりなのに、一日だけはっきりと、映像が焼きついたように鮮やかに残る日があります。
その日、林くんは風邪で学校を休みました。
私はその時何故か、雑誌『小学一年生』をだぶって買ってしまっていて、それではこれをお見舞いに持って遊びに行こうと思いついたのです。
いつもは私の家近くで遊んでいたので、林くんの家をちゃんと訪ねるのは初めてでした。
場所はもちろん知っていたし、そこが家だと聞いていたので、私はなんのためらいも無く、川
の中にある家の前で林くんを呼びました。
風邪のはずの林くんも元気に返事して、顔を出すと家に招き入れてくれました。
一歩入って、始めて、びっくり。
外からの様子を考えれば当然なのだけれど、林くんの家は、私が知っていたどの家ともまったく違っていました。
玄関を開けたらすぐに小さな暗い空間。ちょっとだけ高さのあるそこは居間で寝室で台所で。
畳はけばだって穴だらけ。ぼろぼろのふすまに、丸められた布団。
そして、匂い。
私は動揺を悟られまいと、なるべく普通に畳に座り、林くんに本を渡しました。
彼はそれを見ると、嬉しそうに私に告げたのです。
「今日は僕の誕生日なんだ」
もちろん知らなかった。
そして。
「だからいいものがあるんだ」
そう言うと、小さな食器棚から、すでにふたの開いてる缶みかんを出してくれました。
誕生日に缶みかん。
「美味しいよ」
訪ねて来た友達に、とっておきのそれを分けてくれようとしたのでしょう。林くんは一つだけフォークを出して缶からそのままパクリと食べ、私にも「はい」と。
「・・私はいい」
「なんで?」
「・・・・・缶みかん、好きじゃないもん」こんなにはっきりと覚えている、嘘をついた瞬間は他に無い。
「すごく甘いのに」
林くんは私を上目遣いで見ながら、少し怒ったようにみかんを食べ続けました。
「もう、帰るね」
どうしたらいいのか分からなくなって、
逃げる様に靴をはいて「ばいばい」と、後はもう振り返らずに。
その後、林くんの家を訪ねる事は二度なかったけれど、それでも私たちは普通にずっと遊んでいました。
それからどのくらい後だろう。
林くんはクラスから突然いなくなりました。
先生からの説明も無かったと思う。
そして、いなくなったのも突然ならば、林くんの家はある日、もっとあっさり、一日で跡形も無く消えていました。
きれいさっぱり。
海馬ばかりは繰り返し、私にあの時を思い出させます。
む
缶みかんのシロップの甘さが、今ではほんとに嫌いです。

店番日誌ディープ・試写会やら取材やら、そして

2/22(水) ニヒル牛にて
2がゾロ目の日、取材をよっこら受けました。
『手づくり雑貨の売り方手帖』という本。これ、6年くらい前に発行されていて、ニヒル牛はその時にも取材を受けていたんですね。
「なんでまた新たに?」と聞いたら、著者のこけしマッチ製作所さん(以下こけしさん)が「色々情報も変わっているので、この際リニューアルする事になりまして」と。
情報が変わる?
ああ、そうかー。
この本はタイトル通り、オリジナル雑貨の作り方、売り方をガイドした可愛い本で、たくさんの作家さんやお店を紹介しています。しかし紹介されているその多くが、この間に作家活動をやめてしまったり店を閉店したりしてしまったのですね。
そんな風に、6年は移り変わる時間なんだと。
・・ふうむ。私なんかは、あっという間な気がしてたけど。なんかもう、ついこないだの事みたいだけど。
それで、台湾や韓国等でも本が発行される事だし、取材をやり直し、ニヒル牛のページも一新したいですと。
はい。了解です。
ページ構成は以前と同じで、私へのインタビューと作家さん数名の紹介。
私のインタビューなんてそんなに変わらないだろうけど、6年前に紹介した作品は、そりゃ、移り変わってるよね。
お店にいらしたこけしさんに頼んで、以前の本を見せてもらいました。
さてさて、どのくらい移り変わったかな、懐かしいかな。
「むっ!!!」
開いて驚愕したね。
む
「むむむむむむむ!!」
「はい?」
「すげえ・・」
「なんですか?」
「ここに紹介した作家さん4名、全員今も、ニヒル牛にいらっしゃいますよ」
「ええええーーーーー」
「っていうか、これに載っている作品全部、今も作り続けています。ロングセラーです」
「ええええええええーーーーー!!」
こけしびっくり。
私もびっくり。
そして、私は次々とそれらを見せてあげました。
「ほら、ほらーーーー」
「ほらほらほらーーーーっ、こっちにもーーーー!」と。
「・・なんか、鳥肌たちました・・・・」
ふふふん。
店だってしつこいけど、うちはね、作家さんもやわじゃねえのさ。
何故かはしらねど、ちょっと自慢な気持でしたね。
「なんかもう、このまま掲載したいですね」と私。
「・・でも、せっかくのリニューアルなので・・」と、新たな撮影は致しました。
発売は5月だそうです。
考えてみたら、本が6年間売れ続けているこけしさんもすごいやね。
本屋さんで見かけたら、のぞいてみてね。

2/23 (木) 自宅にて
骨折野郎、一ヶ月ぶりにチェンマイから帰宅。
ひさびさなので『ちょっと新鮮な坊主頭』は、帰宅して4分で日常に馴染んでしまって『ちょっと目障りな坊主頭』に。
「のどかわいたー」「足こんなー」とうるせえ。
またたくまに『結構めんどくさい坊主頭』。
毎年言っていますが、25年を超えた夫婦なんてそんなもん。そんなもんーーーー。
匂うと評判のピンクギブスはあまり臭くは無かったので、そこだけは一安心。

2/24(金) 試写会にて
試写会に行って来ましたよ。
大林宣彦監督『この空の花』
大林宣彦監督!!
20代、映画少女あるは『転校生』『廃市』が大好きでした。
その大林映画に、昨日より『さらにめんどくさい坊主頭』になっている石川浩司が出演しているんですもの!
バチが当たるわ!
どきどきの試写会、舞台挨拶つき。
私はもちろん、富司純子さんに眼が釘付け。緋牡丹だ!!
美しくもたおやか。監督の褒め称えに、うつむき加減で恥ずかしそうに首を振って、ああ、私もあんな風にやってみたい!「そんな事ありません・・」(自己練)
富司純子さん、挨拶の後、客席で一緒に映画を鑑賞されたのだけれど、近くに座ってもらったおじいちゃんが感極まったように「長生きしてよかった」と訴えておりました。うんうん。
映画は2時間半の長編。公開前なので内容については書きませんが、色んな気持がリンクしてしまって、後半は何度も泣いてしまいました。
そして、石川浩司!なんであんたったらそんなに美味しいシーンで!!
腹立たしい嫉妬心でいっぱいになりました。なりましたよ。
ほんま、バチが当たるわ!・・・あ!!もう当たってる!
それから、パスカルズの曲よかったなー。
付け加えるなら、終始、石川夫婦の胸をときめかせ続けたのは、純子様以外ではもちろん後ろ姿も存在感ばっちりの小林亜星様でした。
夫婦そろってざわめきましたよ。「あせいだあせいだ!」と。
試写会の後はパスカルズメンバー等とみんなで中華に。値段がそこそこするお店だったので、それぞれ安い炒飯や焼きそばを食べようという事に。
ぐるぐる回るテーブルに、10種類以上の主食が並んで、いろんなのが食べられて、それも非常に楽しかったです。

2/25 (土) ニヒル牛2にて
ニヒル牛CD店。ナナコの看板がようやく登場。
POPがあちこちにあるコーナーは、みんなが色々しゃべっている様で楽しい。
姉がPOPを書いたCDがぐんぐん売上げを伸ばす。
むー。
ね
『長いでしょ・・POPっていうよりはエッセイ』

2/26(日) ニヒル牛にて
日曜日の西荻は、ざわざわとしています。
すごいにぎやかではなく、街のあちこちがちょっとざわざわっとしてるんです。
色んな所で市が開かれていたり、遠くの野菜を売る出店があったり。
かと思うと、休みの店も多かったり。
急行が土日は通過してしまうこの街は、吉祥寺とかとは違って、街に人が溢れかえらない、それでも休日を楽しもうとする感じがいい。
ニヒル牛にも作家さんがたくさん訪れてくれました。
ゆるくて自由で、ちょっと野暮ったいこの街がちょうどいいなあ。好きだなと。
私はここにいたいんだけどなあと、あらためて。

2/27(月) ニヒル牛にて
いよいよ、あれの事を口にしました。
「ひろか、あんたとぼけてるけど、分かってんの?」
「え、え、え?」
「あれだよ」
「な、なんですか?」
「3/15までなんだよ」
「何がですかーー?(おどおど)」
「私に言わせんのかよっ!か、かく、確定・・」
「・・あ」
「・・・とりかかって・・」
「はいーーー・・・」
二人の苦しみが始まります・・・。
い
『くす美のこれは、はたしてPOPかな?』


プロフィール


石川ある
いしかわある 西荻窪 ニヒル牛・ニヒル牛2オーナー 埼玉県所沢市出身。ニヒル牛2では、今『旅の本展』開催中!

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